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葬儀屋社長奮戦記

2011年10月17日 月曜日

ぼくには、住所不定の幼なじみのSという友人がいます。リストラと立ち退き同時にあって現在、住居は車です。

ぼくには、住所不定の幼なじみのSという友人がいます。リストラと立ち退き同時にあって現在、住居は車です。
そんな彼は、行く当てもなく立ち退きのとき連れていた猫と一緒に当社の倉庫に来て(というより、居座って)
毎日を過ごしていました。
働く意志はあるけど、仕事がない、そんな彼を友人として時々祭壇の飾り付けや花輪を出すときの手伝いなどでバイトしてもらっていました。
ある日そんな彼と昼飯を一緒にと思い倉庫に行くと彼は、車の外に出てぐったりしていました。
「大丈夫か?」僕が呼びかけてもSは「ウン、アー、」と意味不明の言葉をつぶやくばかりでちょっと意識が朦朧としているようです。とにかく病院へ・・病院に着くと緊急外来へ、向かいます。いつもは寝台車で地下の入り口に向かうのですが・・・・ようやく診察の順番が来て問診を始めます。ただその若い医師は友人の風体を見回すと友人Sの現況を聞くととたんに帰ってくれオーラが充満してきました。
「とにかく、血圧も少し高いけど、見たところ大丈夫そうなので、今日は帰っていただくことになると思います。」
僕はとてもそんな状態には見えなかったので「先生!本当に具合悪いんです。」とねばってみました。
その若い医師はしぶしぶ「まあ、血液検査の結果を見て判断します。」といってちょっと不機嫌そうでした。
「先生、検査結果がでました。」ナースがカルテを持って入ってきました。
しばらく食い入るようにカルテを見ていたその医師は「うーん、今夜がやまですね。」とあっさり言ったので僕は
「っつてオイオイ!」なんて突っ込むところだった。
「腎不全末期です。もって1日でしょう。」その若い医師は駄目押しのように言いました。
「今夜はこのまま入院していただきます。」さっきは帰れって行ってたのに・・・
「身内をよんでください、明日9時にここで」僕に最後の一言を残して「それじゃっ」って帰ってしまった医者を見送りながら僕はとにかく今夜この病院に入れたことだけを感謝した。
「それじゃ、入院の準備しますのでそれまで点滴しますから・・」ナースに促されてSと僕はベットの部屋に入った。点滴してると友人の弟がかけつけてきた。「すいません。」「ああ、ビックリしただろ」
「はい。」「こんやがやまだろうって」「そうですか、こんなだとは思いませんでした。」・・・・
その後面会時間も終わり僕と友人の弟は一旦病院を後にした。「とにかく明日9時にもう一度病院で」「はい」
家に帰り今日のことをいろいろ思い浮かべてみる。結局彼の人生って一体・・・・・
小学校・中学校・一緒で大学は偶然東京で再会。吉祥寺の吉野家でバイトしていた彼、、ふっと思い出したら
急に「今死んだらだめだ!」と心の中で何かが叫びました。
いつも僕のわがままにつきあってくれたお人よしのS、彼の両親はあいついでつい最近病気でなくなりました。
二人とも僕が葬儀を施行しました。お母さんが生きてたら今の彼を見てナンテ思うのだろう。
なんとしても死なせはしない。そんなことを考えながら布団に入った。
夜中午前2時僕の携帯が鳴った。「こちら○○病院ですが、Sさんがベットからおちて意識がなくなりました。
家族に連絡がとれないので来ていただけますか?」やっぱりきたか・・・・車で30分深夜の病院に到着
集中治療室へ急ぐ「Sの友人の水野ですがSは大丈夫ですか?」集中治療室のナースに尋ねる。
「ハイ、今は安定してます。」チラッとSの様子を見せてもらってしばらく付き添っていたが何とかもちなおしたので一旦帰宅した。翌朝7時またまた携帯にTEL、Sの弟からだった。「もしもし、水野さんですか?
兄が亡くなったそうです。」弟ははっきり言った。もたなかったんだなあー。「すぐ行くから」
電話をきって家をとびだす、途中Sのことよりも葬儀のことを考えてしまう。
金がないから友人を呼んで香典を出してもらって葬儀費用の足しにしよう。携帯のメモリー入ってる幼なじみに
片っ端から電話する。

「もしもし、水野だけど今朝がたSが死んだんだよ。日程はまだだけど、頼むぜ。」僕は努めて淡々と事実だけを告げた。「なんで?マジ?ほんとか?」皆異口同音に驚いた。彼らにすればホームレスもどきのSではなく一緒に遠足に行ったSなのだから・・・
病院に到着弟と一緒に病室に向う516号室・・いない、霊安室か?まてよ集中治療室にまだいるかも・
二人で向う途中昨日の看護婦さんとすれちがう「すいませんSはどこですか?」「まだICUですけど先生とは
9時の約束では?」「ハイ、でも亡くなったという事なので」・・・「えー!亡くなってません。 誰がそんなことを?」「携帯に病院からの伝言が・・」Sの弟が確認すると看護婦さんはキッパリと「そんな電話してません。」
と断言したのであわてて、携帯の留守録を確認する弟、「○○病院ですが、ピー・・ベットからブッいしき・ポ・・
亡くなりました」どうやら僕にかかってきた電話と同じ内容だったのだけど意識がの部分だけ聴き取れなかったのだ。きつねにつままれたような感じでICUにいれてもらいSと対面「おい、S大丈夫か?」「おお・太郎ちゃん。大丈夫だよ。」「オメーな、・・・・・・・・・・」何もいえなくなってしまう。
お人よしのSは人の気も知らず大きなあくびをした。そして人工透析を受け始めたSは病院の治療と適正な食事で以前は100キロ以上あった体重も80キロまで節制し減量に成功して、現在は週3回の透析に通っていますが生来の明るさと楽天的な性格なのかそれらの出来事をかえって面白おかしくネタとして話してはみんなに受けていた。特に
僕とSの弟が死んだと思って病院へ駆けつけたことなどは透析に通ってる先の病院のナースにはとても受けたらしく「すげー受けたよ、死んだと思ってお前が霊柩車で病院に駆けつけたとこなんかが、一番受けたよ。」なんて話をチョッと変えて面白くしてしまっていた。本当のことを言うと霊柩車で駆けつけたりはしなかったけど、たしかに会社に電話して、よんだら寝台車で迎えに来るように手配はしていたので、あんまりおこることもできなかったのだ。
その後はSの住むアパートも見つかって猫も無断で飼っています。また1級障害者ということで障害者年金が出る予定です。本人はいたってのんきで障害者手帳を見せびらかしながら鉄道や高速が割引になるんだぜ、なんて自慢していました。でも一番困るのは兄思いの弟が心配してそれからは生活費を心配してお金を持ってくるのに甘えて働こうとはしないのです。それどころか弟がお金やいろいろなものを差し入れるのをいいことに、いちいち文句を言ってわがままし放題になってしまい弟も「あの時、死なせちゃえばよかったですかねー?」なんて時々半分冗談で言ってましたが、本人はそんなことお構いなしに平然として暮らしているので僕も弟も溜め息つくだけでした。


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