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葬儀屋社長奮戦記

2011年10月14日 金曜日

あれから十年、社長は当社の共済に加入していたので五十万年の葬儀費用が出ることになっているのでお金の負担を娘さんにかけることはなかった。うちの会社は今でも三十万円葬儀が健在だったから十分まかなえた。

あれから十年、社長は当社の共済に加入していたので五十万年の葬儀費用が出ることになっているのでお金の負担を娘さんにかけることはなかった。うちの会社は今でも三十万円葬儀が健在だったから十分まかなえた。
僕は倉庫にもう使わなくなったが、開業のときに社長が注文した立派な祭壇が処分せずに残っているのを思い出した。
その祭壇は重く立派なものだったが持ち運びが大変なので最近は使っていなかった。とは言え捨てるのも忍びなくて保管していたのだった。その晩倉庫の一番奥にあるその祭壇を引っ張り出して見た。箱には埃が積もっていたが、箱の中は昔のままで、十分使えたし、今のチャチな祭壇より重厚でおごそかなものだった。
式の当日古い祭壇をうちのスタッフと弟と僕で飾りつけた。「懐かしいですね」弟も感慨ひとしおだった。すっかり祭壇を飾り付けて準備が整うと僕は社長を迎えに自宅にむかった。社長を棺に納め娘さんを乗せて寝台車で式場に戻ると祭壇の前に柩を安置した。弟は柩の窓から社長の顔を覗き込んだ。「全然変わってないですね。色艶もいいし、信じられないですね。」通夜開式時刻の一時間前からぞくぞくと弔問客がやってきた。今ではあまりあう機会も無い社長の友人たち、そして同じ宗派の人たちが次々に弔問に来てくれた。僕は皆に頭を下げていた。(なんか施主になったような気分だ。)
もしかすると、けんちゃんも、三好さんもこの中に居るかもしれなかった。僕は社長があれだけ好き勝手に生きてきてこれだけの人たちがお参りに来るってことは結局社長って人は憎めない人だったってことだ。
社長も言いたいこともあっただろうし、僕らも生意気盛りだった。いろんな事をしみじみと思い返していた。
そんな思いもすべて飲み込んでお通夜と翌日の告別式が盛大のうちに粛々と執り行われた。
弔辞の中で社長の古くからの友人のTさんが古い祭壇をわざわざ飾ったことを大変喜んでくれて、僕と弟が葬儀を仕切ってくれたといって感謝してくれたことが僕らにとっては何よりだった。
「俺が今根回ししているから、それが動き出したらすごいことになるから」社長の口癖だったが僕も弟も全くのしろうとで入って何とかこの業界で食べてこられたことこそすごいことだったと思った。皆のお別れが済んで、出棺の時刻だ。
柩の中の社長に感謝して花を手向けて柩のふたを閉めると僕と弟は柩の乗ったストレッチャーをゆっくりと押しはじめた。


株式会社ベルホール
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