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葬儀屋社長奮戦記

2011年10月23日 日曜日

6・経営が分らずにその場しのぎでしのぐ・・・

6・経営が分らずにその場しのぎでしのぐ・・・
でも、そんな、その場しのぎが経営を改善するわけも無く、朝鮮銀行の積立金を早くも途中解約して銀行返済に充てたりして行き当たりばったりの経営をしていた。
現金がすっかりなくなると夏も終わった。
そんな時妻がいった。「もう2ヶ月生活費が入ってないんだけど・・・」
資金繰りを委譲されて、毎日が追い立てられる生活だったので生活費を渡すことさえ考えてなかったのだ。そして次に僕の口をついて出た言葉は
「2ヶ月できたんならもう1ヶ月ぐらいできるだろ?」
この言葉で女房がしばらく口をきかなくなったのは今考えれば仕方が無いことだった。
しかし弟の女房はそうはいかなかった。「おにいちゃん、旦那に給料払ってよ。」妹に言われるのがつらい。ある日弟に尋ねた。「お前、給料欲しいか?」給料を出さなくなって3ヶ月目のことだ。
「ハ、ハイ、欲しいです!」「そうか、じゃ石屋に行って稼いでこい。」
僕は石屋の社長に言って弟を雇ってもらうことにしていたのだった。
石屋の社長に弟を雇ってもらいたくて電話したとき、社長は開口一番「体は?」とだけ尋ねた。
「子供相撲の横綱張ってましたから。」まえに弟が自慢していたのを思い出したのでそういったのがよかったのか即決で採用が決まった。
けれど僕は石屋の社長に、仕事が来たら現場から直行で会社に戻してもらう条件だけは飲んでもらった。
(いまは一旦野に下るとも、いざ鎌倉の心を持って日々暮らしていく気構えを忘れないことが大事だと格好よく言えばそんな感じだったが。)
ただ弟の近所の人たちは、僕たちのそんな崇高な志をしらず、地下足袋、腰弁当で出かけてゆく弟を見て単に葬儀屋をやめて日雇いになったのだろうとしか思ってなかったみたいだったが。
弟は頭を使わない石屋の仕事が性に合っていたらしく、仕事の行き返りに会社に立ち寄っては今日の現場はどうだったとか、ああだったとか報告していく。
そんな弟を僕は眩しく見上げるばかりだった。
やっぱり人間仕事もせずブラブラしてるとだんだん気持ちがすさんで来る。
時給が上がったとか、仕事の段取りを得意そうに話す弟を見ると無性に張り倒したくなるのだった。
僕と社長は相変わらず仕事が来るのをまってテレビの前で腕を組んで一日すごしていた。
(葬儀屋が腕組み商売と言われるゆえんだ。)
腕を組んだまま季節は秋になっていた。


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